八久和ダム(やくわだむ)

今回の裏企画というのはこれのことだ。

いつもは事前にあまり調査しないのだが、紙の地図をみたら下流側からの道が「通行困難」と記載されていた。

「通行止め」とか「通行禁止」ではなく「通行困難」だ。

これはどういう意味か・・・行こうと思えば行けるのか?

ということで、少し調査してみることにした。

もちろんネットでだ。

ストリートビューでは下流側からのアプローチである八久和林道は舗装路からダートに変わるところで終わっている。

ブログなども検索してみたが、このダムへ行った人はみな荒沢ダムのある上流側からの鱒渕林道でアプローチしていた。

やはり下流側からは行けないようだと悟った瞬間だった。

次はダムまでの具体的なルートだ。

一番参考になる(と思われる)ストリートビューで鱒渕林道を確認しようとしたら、ストリートビューのクルマは諦めて行っていないようだった。

なぜなら表示されないのだから。

ストリートビューのクルマが行けていないところはこれまでの経験だと酷い道なんだよなぁ。

行ったはいいが雨や落石の影響で通行止めになっていないとも限らない。

こんなことをするのは2度目だがわざわざ遠くまで行くのだ、電話で聞いてみよう。

ということで八久和ダムを管理している東北電力(株)庄内発電技術センター赤川ダム管理所に電話した。

やはり下流側から行くことは困難とかのレベルではなく通行不可が正しいらしい。

荒沢ダムのある上流側から行けるとのことだったが、道は林道で荒れておりなるべく補修はしているが穴があいていたり水が流れているところがある。

クルマで行けるがかなり汚れるということだった。

月山ダムのついでとはいえ荒沢ダムまで行くのだからぜひ行っておきたい。

数日悩んだ末にレンタカーを借りることにした。

朝から夕方まで借りてキャンペーン価格で3,520円だ。

他に免責保証と安心パックを入れて合計5,280円だ。

思わぬ出費だが仕方がない。

そのようなわけでこの日は朝からレンタカーで移動している。

荒沢ダムから鶴岡市内へ戻るようにして走り鱒渕口バス停付近の分岐をハ久和ダム方面へ進む。

最初のうちは舗装されており順調だったが集落を過ぎるとダートコースになった。

バス停付近の分岐から3.4kmほど進むと道が左右に分岐していた。

ここは右へ進むのだが、帰りに間違わないように気をつけなければならない。

右へ進路をとりさらに進む。

所々舗装されている箇所があったがすぐダートになってしまう。

確かに所々穴があいている。

途中でバードウォッチングをしているらしい人を2箇所で見かけた。

ご苦労なことだ。人のことを言えた立場ではないが。

山の中を超えダム湖を右に感じながら走る。

まだダム湖は見えないがナビでは右側にダム湖があるはずだ。

左は山、右はダム湖に続いているであろう崖だ、藪になっており崖かどうかわからないが。

ガードレールはなく危険だ。

ガードレールがあったところでガードレールに接触するような走りをした時点でアウトだろう。

踏み外して転落でもしたら発見されるまで数日、下手すると数ヶ月も見つけてもらえないかもしれない。

なにせ滅多に人が立ち入ってくるようなところではなさそうなのだ。

何箇所か渡った橋に欄干はない。

途中に一箇所、落石のあとがあった。

落石に注意しながら走っても落石に気づいた時には間に合わないだろう。

昨日の温海川ダムへ行く時に通ったトンネルのような霧が出ていなくてよかった。

この時間だから霧はないかもしれないが雨が降っただけでも怖そうな道だ。

ここまで対向車はいなかったが対向車がきたらすれ違えないので離合するしかない。

少し大きめの枝が路上に散乱している箇所が3箇所あった。

倒木が道を塞いでいなくてよかった。

やっと堤体が見える場所まできた。

まだ距離はありそうだが進むべき道は間違っていなかったようだ、一本道だが。

そんなこんなで約20km走りやっとたどり着いた。

下の地図では17.9kmと出ているがクルマのトリップメーターでは20kmだ。

たった20kmの距離だが時間は1時間くらいかかっている。

帰りも同じくらいかかることを想定しておかないと以降のスケジュールに影響が出るので要注意だ。

型式   :重力式コンクリート

目的   :発電

堤高   :97.5m

堤頂長  :269m

河川   :赤川水系 梵字川

総貯水量 :4,902.8万㎥

ダム湖  :−

着手/竣工  :/1957

会津ダムツアーのときの上田ダムでもみた白洲次郎の碑があった。

こんな所でと言っては失礼だが、また見かけるとは思ってもいなかった。

ダム湖に名前はないようだ。

ここの管理所は無人だが常に監視されているはずだ。

天端は立入禁止のチェーンが張られていたが車ごと乗り入れて何か(鳥か?)観察している人がいた。

まさかの関係者か?東北電力の作業着のようには見えなかったが。

おかげで素の写真が撮れなかった。

監視されてるはずなんだがなぁ。

来る時に気になったのだが湖岸に工事用の重機がたくさん停車していた。

ここまでどうやって来たのだろう?

頑張ってもあの道幅では通行できないように思えるし、道幅がどうにかなったとしても回りきれないカーブがあったはずだ。

ダムカードはこのあとに行く新落合ダムに隣接した東北電力(株)庄内発電技術センター赤川ダム管理所でここの写真を見せて入手だ。

その前に人里まで戻らなければならない、いま来た道を20km走って。

来る時は本当にたどり着くか不安もあったのだが帰りは来た道を戻れば良いので対向車が来ないことだけが気がかりだ。

バードウォッチングの人たちはまだ残っていた。

来る時にも通った分岐点まで戻ってきた。

ここを左折すれば戻れるのだが、直進方向は舗装された道だ。

直進して上手いことやれば新落合ダムのそばへ出られるかも、ということで直進してみた。

舗装された道が続いていたのだが2km位走ったところで通行止めになってしまった。ここまでは一本道だ。だったら分岐点のところで、この先通行止めの看板出しておいてほしかったな。

Uターンして戻るのだがレンタカーが軽でよかった。

普通の車だったらUターンさえままならなかったと思う。

この部分を余計に走ってしまった。

八久和ダムまで往復40kmのダートは本当にきつかったがしっかりと記憶に残った挑戦だった。

このダム旅から帰ってきてから見つけたのだが2004年に下流側から八久和ダムへ自転車で走破したブログを見つけた。

2004年時点であの荒れようでは今はもう廃道なのだろう。

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